現在、叙勲は人間しかもらえないが、戦前は人間以外でも叙勲がもらえた。
叙勲をもらったのは、ウマやイヌ、ハトの三種。
軍隊がタダ同然のように徴発していたため、その罪滅ぼしの意味を込めて、昭和8年5月に陸軍功章が設けられた。
与えられる功章は甲乙丙の三種類。
人間でいえば、金鵄勲章、旭日章、瑞宝章に相当するもので、勲章は首から下げることができなかったため、ウマは額革に、イヌは輪に、ハトは脚に、それぞれ勲章がつけられた。
勲章は、軍馬の場合、1600頭に与えられていた。
また動物は、様々なところで位階をもらっている。
新田義貞の家臣の愛犬・犬獅子は、数十回の戦闘に参加したが、その後戦死したため、正四位が追贈された。
1728年、長崎から京都まで歩いてきた南蛮渡来のゾウは、天皇や上皇に謁見するときに、無位無官では謁見を許されなかったため、従四位が贈られた。