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【語源】「ちちんぷいぷい」は屁の音である

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ちちんぷいぷい」は屁の音である。

柳田國男民俗学者)の説によると、昔話『屁こき爺』に出てくるおじいさんが、「ちちん、ぷい、ぷい」と聞こえる屁をしたところ、地主が喜んで褒美をくれたところに由来しているという。

そして、この屁の音が幸運を招き人れるおまじないとなり、「ちちんぷいぷい、痛いの痛いの、飛んでいけ」など、怪我や痛みを早く治すおまじないの言葉になったという。

また別の説もある。

「智仁武勇は御世の御宝」(ちじんぶゆうはごよのおたから)が変化したもので、春日局が、病弱だった徳川家光を励ますために使われた言葉に由来しているといわれている。

江戸時代には、自由自在に放屁(ほうひ)できる奇人が現れて、見世物としておおいに受けていた。

彼らは「曲屁師」(きょくへし)と呼ばれ、寺社の境内や盛り場などに見世物小屋を開き、連日満員の盛況に包まれていた。

また平賀源内(1728~1779)は、曲屁師たちの芸を見物したのち、『放屁論』を著した。

曲屁師としても活躍した、永六輔の談話。

「屁というものは臭いがするようではいけません。

素人は肛門のヒダをふるわせて鳴らしますが、ヒダでは音程が出ないのです。

高い音、低い音と吹きわけるのは直腸そのものの収縮がものをいうのです。

大体、臭いにしてもそうですが、喰いものを屁の原料のようにいうのは間違っています。

喰いもので出る屁は芸ではありません。

吸い込んだ空気を肺ではなく胃袋におさめる、この訓練で苦労をするのです。

私の場合、どんな注文にも十秒以内に応じられるのは、空気ならいつでもどこでもあるからなのです。

そして、一度吸い込んだ空気の固まりを六十発から七十発にちぎって出せなければ一人前とはいえませんね。

逆にこれを細く長く切らないで出せというなら三十秒は続けて鳴らせなければいけません。

そして一瞬にしてぶっ放すことも練習します。

こうなるとブーとかピーではありません。

バリバリッ! と近所に雷が落ちたと思えるようにやります。

初めの内は、切れ痔になって困りました。

そして三十歳どまりですね。

三十を過ぎてこれをやると、どうしてもパンツを汚します。

パンツを汚すようでは芸とは言えません」

永六輔『芸人 その世界』より。