耳を両手でふさぐと、ゴーッという音が聞こえてくるが、これは腕を伝って聞こえてくる、体の中の音である。
音は、気体よりも液体の方が伝わりやすく、液体よりも固体の方が伝わりやすい。
そのため、固体と液体で構成されている手を耳に当てると、体の中の音(血流、筋肉の収縮、心臓など)がダイレクトに耳に届くことになる。
また、耳に手をあてるとき、腕を曲げることになるが、腕を曲げると、血管(動脈)に圧力がかかるため、ここでも音が生じる。
この音は「コーロトコフ音」と呼ばれており、この音を利用して体の状態を調べる機器が、血圧測定器である。
ちなみに、貝殻を耳にあてたときに聞こえる音は、貝殻を伝って聞こえてくる周囲の音である。