銅にヒ素を混ぜると融点が下がり、銅像が作りやすくなるため、昔の銅像にはヒ素が使われていた。
しかし金属を溶かす技術が進歩した現在では、ヒ素を混入させて融点を下げる必要がなくなったため、銅像にヒ素を混ぜる技術は消滅し、後世の人間はそのことを知ることができなくなっていた。
ある日、兼六園の日本武尊(ヤマトタケル)像にカラスが寄りつかないことに気づいた人物がいた。
上野の西郷隆盛像は鳥のフンまみれになっているのに、日本武尊像がフンまみれになっていないのはなぜだろう。
そのことに疑問を持った人物は、日本武尊像を調査したり、文献から「古代ローマなどでは銅の融点を下げるためにヒ素を添加していた」という記述を発見したりして、その要因を探っていった。
この調査を行ったのは、廣瀬幸雄。