トウモロコシは、ハムシの攻撃により幾度となく大損害を受けているが、実はトウモロコシの原種はハムシに強く、ハムシに弱いトウモロコシを作り出したのは人間である。
トウモロコシの原種は、粒が数粒しか取れなかったため、品種改良が繰り返されることにより、粒がたくさん取れるトウモロコシへと変貌を遂げた。
しかしその過程で、ハムシの攻撃から身を守るために根から分泌していたカリオフィレンという物質を作り出す能力を失ってしまい、ハムシからの攻撃を一方的に受けることになってしまった。
その結果、トウモロコシはハムシの攻撃により次々と枯れていき、ハムシによる損失額は世界全体で年間十億ドルにも及んだ。
そして、この害虫を駆除するために多額の資金が投入され、大量の殺虫剤が撒かれた結果、環境が汚染されるという問題が生じてしまった。
現在のトウモロコシは、カリオフィレンを作り出すことができる品種に切り替わったため、ハムシの被害も少なくなったと言われている。