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【歴史】第一次世界大戦中、不戦を表明していたアメリカは、イギリス諜報部の工作活動にまんまと引っかかってしまい、ドイツに宣戦布告した

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第一次世界大戦中、不戦を表明していたアメリカは、イギリス諜報部の工作活動にまんまと引っかかってしまい、ドイツに宣戦布告した。

1917年初頭、ドイツはメキシコに対して秘密電文を打ち、アメリカを牽制してくれないかと依頼した。

しかしイギリスの暗号解読班は、この情報を探知、アメリカを参戦させるための好材料であるとしてひと芝居を打った。

当時、カナダに寄った船はイギリス海軍によって臨検される決まりとなっていた。

ドイツ元駐米大使が乗った船がやってくると、イギリス海軍は、その船を徹底的に臨検し、船を十日あまりも抑留した。

しかしこれは時間稼ぎのために行っていただけで、実際には元大使の重要書類入りカバンを盗むのが目的だった。

まず、カバンを盗み、カバンが盗まれたことを報道した。

そして、満を持して「ドイツがメキシコにアメリカの牽制を依頼した」という秘密電文が含まれていたとの嘘情報を流した。

イギリス諜報部は、「ここまでくれば、元大使の失策により情報が漏れたと誰もが思うだろう。たとえカバンの中にそのような情報が含まれていなかったとしても」と、ほくそ笑んでいた。

しかし、イギリス諜報部にも一つ懸念があった。

その秘密電文は偽造であると主張されたら、どうしようかと。

しかしドイツの外務大臣は、あっさりとすべての事実を認めてしまった。

元駐米大使の不注意により、重大な秘密書類が盗まれたのだと思いこみ、大使に対する怒りが先行し、真の情報源がどこにあったのかを調べるだけの冷静な情勢判断ができなかったためである。

その後、その情報を知ったアメリカの世論は沸騰し、それまで中立をうたっていたウィルソン大統領もタカ派につき上げられて、ついに参戦に踏み切った。