トクホ(特定保険用食品)に指定されていた食用油「エコナ」は、発がん性が疑われた結果、現在では事実上の販売停止となっている。
発がん性が疑われたのは「グリシドール脂肪酸エステル」という物質。
この物質自体には発がん性はないが、体内の消化酵素と結びつくことにより、発がん性物質である「グリシドール」に変化するのではないかという懸念が浮上した。
それを知ったメーカー側は、トクホ指定を取り消そうとしたが、当時、トクホを取り消す(再審査する)システムがなかったため、そのこと自体も問題となった。
また、発がん性を疑われるような商品が、どうしてトクホに指定されたのかも問題視された。
5年にわたる調査の結果、エコナを使用しても発がん性物質は生成されない、という結論に達したが、悪いイメージでの紆余曲折を経てしまったためか、現在でもエコナは販売再開には至っていない。