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【歴史】神社に奉納する絵馬は、生きた馬を奉納していた時代の名残りである

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神社に奉納する絵馬は、生きた馬を奉納していた時代の名残りである。

馬は神様の乗り物だったため、天災や疫病などに見舞われたとき、氏神の神座を移して、神霊をやわらげようとしていた。

それが次第に、木製や土製の馬に変わっていき、平安時代中頃から絵馬の奉納が行わえるようになった。

図柄は、馬にかぎらず、信仰する神仏の姿や、それを表徴する社寺の風景なども描かれており、神仏の使いである動物の絵や、祈祷する目的を表す図案など、様々なものが描かれていた。

十二支の動物を描いた絵馬は、鎌倉時代以降からよく描かれるようになった。

当時、絵馬には、他人には知られたくない悩みが書かれていた。

そのため、住所氏名を明らかにすることはためらわれたため、自分自身の干支を描き、その絵馬を書いたのは自分だということを、それとなく神仏に伝える方法が取られていた。

本来、絵馬は、自分で絵筆をとって描きあげる方が良いとされていたが、字や絵が描けない人たちは、それらが上手な人たちに代筆を頼んでいた。

次第に、専門の絵馬師が現れるようになったため、それらの人々に絵馬を注文するようになり、さらに時代が進むと、参道や社務所に絵馬を置いて、願い手の便宜を図るようになった。

そのため、本来であれば、12種類の絵馬を取りそろえておくべきなのだが、それだと大変なため、戦後には、その年の干支にあたる絵馬だけを用意するようになった。