江戸時代、子供の疳(かん)の虫を治すための薬にアカガエルが使われていた。
『和漢三才図会』(1712年)によると、アカガエルは「五疳の薬に入れて、もって効有り」と、その効能の良さを示している。
疳の虫にはヤナギムシも効くといわれていた。
ヤナギムシは柳の幹を食べる木食い虫の一種で、醤油につけて焼いて食べた。
アカガエルも同じようにして食べられた。
アカガエル売り(商人)は梅雨のころに行商することが多く、ヤナギムシも一緒に売り歩いていた。
京都や大坂では、アカガエルは乾燥したものを売っていたが、ヤナギムシは生きたままで売っていた。
江戸では、どちらも生きたまま売っていた。
アカガエル売りは、買い手がつくと、生きたアカガエルの皮をはぎ取り、それを売っていた。
また、アカガエルは薬だけでなく食用としても売られており、アカガエルの後脚の股の肉を食べていた。