古代ギリシャの人たちは、すでにガムを噛んでいた。
古代ギリシャの女性たちの間では、口臭予防や、歯の健康のために乳香樹(マスティック)の樹脂を噛むことが流行っていた。
これは「マスティックガム」と呼ばれるもので、紀元前50年頃、ギリシャの医者ディスコリーディアスは、マスティックからとれる物質を粉末にして、薬にしていた。
また中近東でも同様のガムが生産されており、樹脂を柔らかくするために蜜ロウを加えていた。
西暦300年頃、マヤ文明発祥の地・中央アメリカの人々は、天然チクル(チューインガムの基材)を噛んでいた。
また、マヤ族は、乾燥した石油も噛んでいた。
西暦1300年頃、インディアンはエゾマツの樹脂を噛んでいた。
19世紀初頭、エゾマツの樹脂で作ったチューインガムが発売された。
エゾマツガムは、19世紀半ばまで売られていたが、エゾマツ以外のものが求められるようになったため、パラフィンワックスガムが登場し、その後、中央アメリカの人々が噛んでいた天然チクルガムに再度注目が集まり、その後、主流となった。