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【医療】昔、ミイラは薬だった

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昔、ミイラは薬だった。

18世紀まで、ヨーロッパでは、薬としてエジプトのミイラが処方されていた。

医学界には批判者もあったが、医者は内科の病気の特効薬として、ミイラの粉の服用をすすめた。

そのために消えたミイラは、かなりの数にのぼるという。

江戸時代は、日本でもミイラが薬として飲まれていた。

『長崎オランダ商館日記』によると、幕府の大目付役・井上政重が、将軍用として、ミイラ100匁を購入している。

また『新見物語』には、「享保より五、六十年前、みいらという薬、流用して、歴々の大名も毎月三、四度ずつ五分七分のむ。男女ともみいらのまぬ人なし……」と書かれている。

ミイラは、江戸時代末期までの200年間にわたり輪入されていた。

しかし、当時輸入されていたミイラは、液状、ねり状、小片の三種類で、完全なミイラは一体もなかった。

そのため、ミイラの偽物が数多く輸入されていたと言われており、幕府方もそのことを承知していたのか、偽物のミイラの見分け方が文献として残っている。