土の中で水が凍ると、土の体積が増加してしてしまうため、地面は盛り上がる。
これは、凍上現象と呼ばれており、北海道よりも寒冷な地域で発生する。
身近な例でいうと霜柱のことで、これが大規模に発生したものだと考えるとわかりやすい。
凍上現象が発生すると、線路や道路が持ち上げられたり、亀裂が入ったりするし、レンガ造りの小屋などは崩壊してしまうこともあるため、十分な対策を施す必要がある(トンネルの壁の外側に溜まった水が凍結し、トンネルが破壊される現象もある)。
ナチス・ドイツは、アウトバーン(高速道路)を作り上げたが、アウトバーン作成時にも凍上現象は大きな問題となった。
アウトバーン作成を担当したトッド博士は、穴を深く掘るなど、基礎工事の方法を改良することで凍上に対処し、その成果が認められ、ドイツの最高勲章を受けた。
一方、日本は、北海道、樺太、満州といった寒冷地で凍上現象が発生した場合、道路の盛り上がりに対しては基本的には無視しており、線路の盛り上がりに対しては、線路と地面の間に丸太を通すことで対応していた。